2015年9月9日水曜日

韓国・光州 Asia Culture Center Theater Opening Festival 01

韓国・光州に来ている。「Asia Culture Center Theater Opening Festival」という舞台芸術のフェスティバルを観ている。11月にこの劇場で『エヴェレットゴーストラインズ』韓国版の公演を控えているので、下見がてら来た。行きの飛行機ではオレンジジュースをお願いします、と言ったのにマスカットジュースが出てきた。自分の英語の能力はもうほんとんどなくなってしまった。宿泊先はZERO HOTELという坂口恭平さんの作品兼ホテルに泊まらせてもらっている。このZERO HOTELもこのフェスティバルの主催プログラムで、まだ行ってないけど新しい国のパスポートまで作ってもらえるらしい。今日はChandralekha『Sharira』という作品を観た。南アジアのデトロイトと言われているチェンナイ(インド)の人たちの作品で、ステージは屋内、客席は屋外という特殊な設えだった。インドの文化や伝統舞踊の事はほとんど知らないので何ともいえないけど、舞台下手前にインドの宗教音楽を鳴らす楽団が5人いて、中央にはダンサーと言うか舞踊家が二人出てくる作品で、たぶん伝統舞踊をベースにしているのだと思う。例えばインドの舞踊と音楽を想像してみるとして、まったく想像どおりの事が舞台上で繰り広げられていた。衣装は地味だったけど。最近、舞台のフェスティバルなんかでよくこういうアジアの伝統舞踊をベースにした作品をよく見かけるようになった。なんでなんだろうか。すごくコンテンポラリーダンスみたいな作品(南米とかの)に並んで、アジアの伝統舞踊ベースの作品が並ぶ機会が増えてきているように思う。こういう手合いの作品を見るとすぐにただその国の伝統舞踊を観ているだけな気分になる。でも、フェスティバルなんかで改めて観ると、見え方が変わると言うか、フェスティバルのバイアスによって作品の別の側面が見えるというようなことになる。そういう事を楽しんでいるのか、楽しめばいいのかはよくわからない。やっぱり伝統舞踊だったら現地で観光地でも何でもいいから観た方が面白そうだと思う。おそらく、インドの伝統舞踊はもっと乱雑な雰囲気で、ノイズの多い客席の中で上演れるものだろう。インド舞踊に限らず、フェスティバルで、しかもすごい新しいかっこいい劇場で神妙な顔つきの客席の前では本当のその舞踊の面白さは伝わらないんじゃないかと思う。歌舞伎や能もたぶんそもそもそんなに厳粛に改まって観るようなものではなかった。今でこそ、なにかありがたいものでも観るように神妙に観客は観ているが。伝統芸術をベースにする方法をとるなら、それは全体の雰囲気、特に客席の雰囲気までも作り込まなければ面白くならないんじゃないか。そういうことを思った。
観ながらこの作品に対して一つアイデアが浮かんで、半分野外やから虫が舞台上にいっぱい寄って来るので、コンビニにある虫殺す青い光の電気を吊るしといたら面白いのにと思った。上のほうでパチパチと虫が死んで、下では壮大なインドの伝統舞踊が行われる画を想像してみて、きっといける、と思った。

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